血統書とブリーディング(繁殖)

血統書はペットショップやブリーダーから犬を購入すれば、たいがい純血種の犬にはついてくるものです。
‘自分のところで産まれた子犬を友達にあげるから’などといった理由で血統書を発行しないケースもありますが一般的に血統書がついていないほうが珍しいように思います。
ともすれば「血統書つきの犬」と自慢の種になりがちですが、大事なのは血統書の中身であり中身の意味がわからないなら血統書は、その人にとってただの紙切れであり「血統書が付いている犬」という言葉を証明するだけのものです。

血統書にはその犬の両親、何代も前の祖先の情報が書いてあります。
毛色や系統が書いてあり、どういった繁殖が続けられて、結果的にその犬が産まれたのかがわかるようになっています。

特別にブリーディングを考えない場合は、単に愛犬のルーツを知るだけの紙となりますがブリーディングを考えた時、この血統書も検討材料の一つとしてブリーディングプランは考えられます。

「親犬を超えるような、より素晴らしい犬を作出する」
私は個人的にブリーディングについて、そう思っています。
そしてブリーディングする意味はそうあるべきだと考えています。
けして産まれた一代限りを考えるのではなく、より良い犬を作出していくためには何代か先までも系統、健全性も見据え考えなくてはなりません。

アメリカのオゥシーの団体であるASCAの発行している血統書は、股関節や肘関節、眼の検査結果とともに両親、祖先のオゥシーの両目の色も記載されています。
右目はブラウンで左目はブルー、といったように。
我が家のオゥシー達は、ASCAの血統書も所有しており、この目の色の記載は日本(JKC)で発行している血統書にはありませんからブリーディングにおいても色素を考えていく上でとても参考になっています。

・・・・現在、日本ではたくさんの犬が飼育放棄され、明日を迎えることさえわからない犬達もたくさんいます。
その中でブリーディングという形で新しい命を送り出すことに正直なところ矛盾も感じています。
しかし「良いオゥシーを、理想のオゥシーを作出したい」と自分の気持ちを押し通すなら、けして中途半端なことはしてはいけないし、それは失礼なことだと思っています

 

犬種のスタンダード

「スタンダードってなに?うちの子はドッグショーに出るわけじゃないから関係ない」 「スタンダードじゃない子は、だめだっていうの?」「みんながオリジナルでいい、細かい規定なんていらない」。 そんな言葉を本当によく聞きます。

「スタンダード」はドッグショーに出るためにあるものではなく「その犬種の基準(理想)の姿」のことを指す言葉です。
もしスタンダードがないのなら、ある犬は耳が垂れて長かったり、ある犬は胴長短足の体型だったり。毛も短かかったり、引きずるような毛の長さだったり。毛色もたくさん。
「みんな姿形がバラバラだけど一体どの犬がオゥシーっていう犬種なの?」ということになります。

オゥシーを家族の一員にしたいと感じたとき、子犬時の姿だけでなく大人になった時のサイズ、外観を調べたり写真や実物を見るかと思います。その時に見る犬の全てがバラバラだったら混乱してしまいます。
そのためにスタンダードという規準を定めたものはあり、けして「こうでなくてはいけない!それ以外はダメ!オゥシーとして失格!」という、その犬を否定するものでなく「これがオゥシーの規準の姿なので、オゥシーといえばこの姿だと皆が思えるよう統一感が出るようにしましょう。ブリーディングおいては、これを理想として子犬を作出してくださいね。」というものです。

すでにこの世に産まれたものに今から形を変えろというのは難しい話なので、産まれる前の段階で「スタンダード」を規準として沿った犬を作出するようにという、いわば‘命を送り出すブリーダーへの警告’だと私は個人的に思っています。

(今後このページは随時内容を追加予定です)